釧路湿原の景色を楽しむノロッコ号。
釧路湿原ノロッコ号は、誰もが一度は乗りたい観光列車だと思います。

私たちもこのノロッコ号が今回の北海道旅行の一番の目的でした。
出発時は快晴で最高の旅になるはずが、
まさか帰りにあそこまでの運行トラブルを味わうことになるとは。
豪雨による運行停止、無人駅での長時間待機、そして暗闇…。

こんな事態になるとは想像もしていませんでした。
ノロッコ号は、天候不順に非常に弱いというリスクがあります。
私たちは豪雨と運行トラブルで、帰宅が夜20時となり、8,000円超のタクシー代を払う羽目になりました。
「なぜあの時すぐに動かなかったのか」と後悔した点がたくさんあります。
この記事では、ノロッコ号を「最高に楽しかった思い出」で終わらせるために、
私たちの辛かった経験から学んだ「動くまでの決断の重要性」と「塘路駅を選ぶべき理由」を、
をぜひ教訓として役立ててほしいです。

ノロッコ号乗車レポート:出発から楽しかった釧路湿原の景色
トラブルを予期せぬ、最高の景色から始まったノロッコ号の旅。
まずは、私たちが購入したチケット情報と、乗車時のワクワクする様子からご紹介します。
私たちが乗車した「よくばりノロッコ号」のスケジュール

私たちが今回乗車したのは、午後の便である「よくばりノロッコ号」でした。
この「よくばりノロッコ号」は、私たちのようにお盆の時期(8月11日~15日など)に限定で運転される特別な時間帯でした。(くしろ湿原ノロッコ号1・2号もこの時期に運転されます。)
この便を選んだのは、通常便のスケジュールと比較して、釧路湿原駅に滞在できる時間が長いというメリットがあったからです。
参考:通常のノロッコ号2号(釧路駅→塘路着)は釧路湿原発11:32、帰り1号(塘路→釧路駅)は釧路湿原発12:38と、滞在時間は約1時間ほどです。
購入した区間と予定時刻は以下の通りで、ホテルに17時には戻る計画でした。
- 区間: 釧路駅 → 釧路湿原駅
- 上り(行き): 釧路駅 13:34発 → 釧路湿原駅 13:58着
- 下り(帰り): 釧路湿原駅 16:08発 → 釧路駅 16:40着
⚠️ 注意点: 運転日や時刻は年によって変動します。ご予約の際は、必ず公式ホームページでその年の最新の時刻表を確認してください。
出発時は快晴!ノロッコ号の車窓から見た雄大な景色

釧路駅を出発した時点では、空はきれいに晴れており、ノロッコ号の旅は最高の滑り出しでした。
いい天気でノロッコ号の売店で少し高めのビールなど購入して気分は最高でした。
ノロッコ号は、窓が大きく開いた開放的な造りになっており、湿原の風を感じながら景色を楽しめます。
釧路川に沿って走る列車からは、雄大で緑豊かな釧路湿原が広がります。
列車がゆっくりと進むたびに、湿原独特の風景が近づいてきて、わくわくしながら約30分の乗車時間はあっという間に過ぎていきました。
運行トラブル発生!無人駅での長時間孤立体験記
最高の気分で釧路駅を出発しましたが、釧路湿原駅からは旅の計画が音を立てて崩れていきました。
予期せぬトラブルと恐怖の体験を時系列で詳しくお伝えします。
この失敗談が、皆さんの旅の教訓となることを願っています。
景色が一変!釧路湿原駅到着と同時に襲った突然の豪雨
出発時は快晴でしたが、ノロッコ号が釧路湿原駅に到着した途端、空模様は一変。
突然の豪雨が私たちを襲いました。
まさにバケツをひっくり返したような降り方で、傘など全く意味をなさないほど。

一気に気分が落ち込んでしまいました。
とてもじゃないけど湿原まで行けそうにもないくらいでした。
【リサーチ不足の失敗】湿原内を歩くには「温根内」へ行く必要があった!
そもそも私たちは「釧路湿原駅で降りたら、そのまま湿原の中(木道)を歩ける」と思い込んでいたのが大きな誤算でした。
実際は駅周辺から湿原の中には入れず、徒歩で細岡ビジターズラウンジを通り過ぎ細岡展望台まで行って景色を眺めるだけのルートでした。
湿原内を歩ける「温根内木道」は、温根内ビジターセンターからアクセスする必要があり、私たちはこの二つの場所を勘違いしていました。

雨の中降りて湿原内まで歩けないと知った時は
本当にショックでした…
ノロッコ号が動かない…30分以上の停車と予期せぬ「降車指示」
豪雨があまりに激しかったため、ノロッコ号は出発時刻になっても動けず、30分以上停車しました。
雨が激しすぎて安全が確保できない状況だったようです。
その後、雨がようやく小降りになってきたところで、
車掌さんから「全員降りて、釧路湿原展望台まで行ってきて良い」という指示がありました。

本来、列車はすぐに塘路へ向かう予定でしたが、ここで大幅な予定変更となりました。
列車に乗っていたほとんどの人が向かったので展望台にはすごい人です。
雨がやんで雲の隙間から光がさして幻想的な景色を見ることができました。
恐怖の始まり:無人・トイレなしの釧路湿原駅で立ち往生
展望台へは行ってみたものの、列車はなかなか塘路へ向けて出発しません。
「本来なら釧路駅に向けて釧路湿原駅を出発しているはずの16時過ぎ」に、ようやく列車は塘路駅に向けて出発しました。
この時、だんだん不安が募り始めました。
車掌さんや電車内のスタッフの人に何度か確認し、「17時に釧路湿原駅に戻ってくる」と仰いました。
釧路湿原駅で取り残されるのも怖いので塘路駅まで乗って行ってもいいか確認しましたが、
釧路湿原駅までの電車代しか払っていないので難しいと断られてしまいました。

これは仕方のないことですね。

その間、私たちは何もない無人駅の周辺で時間を潰すことになったのです。
18時を過ぎても動かない列車と、追い打ちをかけた地震の不安
1時間ぐらいの待ち時間なら仕方ないかと思ってそれほど気にせずに待っていました。
しかし、列車が戻ってくるはずの17時になっても、列車は来ませんでした。
ここからより不安が増してきます。
17時を過ぎたぐらいにJRの職員の方が線路の点検に来たのでもう動き出すのか!
と期待した時もありましたが一向に電車がきません。
そして、ここで次の重大な問題に直面します。
- 無人駅の恐怖:釧路湿原駅は無人駅で、駅舎内に誰も頼れる人がいません。
- トイレがない:長時間待機を強いられる状況にもかかわらず、駅の周辺に公衆トイレもありませんでした。
そして、無人駅で立ち尽くすうちに18時を過ぎ、辺りは徐々に暗くなり始めました。
さらに、18時30分頃には地震が発生し、私たちの不安はピークに。
「このまま本当に電車が来ないのではないか」
「ここで一夜を明かすことになるのか」という強い恐怖を感じました。
都市部ではすぐに復旧するイメージですが、北海道のローカル線ではそうではないことを痛感しました。
決断の時!タクシー手配と8,000円超えの帰路
このまま待っていても危険だと判断し、私たちはタクシーを呼ぶという決断をしました。
この時で時刻は19時前になっていました。あたりは真っ暗でした。
しかし、釧路湿原駅のような場所まではタクシーがなく、「こちらに来るまで40分はかかる」とのこと。
暗くなってきた無人駅でトイレもない中、さらに40分以上待つのは非常に辛かったです。
ようやく19時30分過ぎにタクシーが到着し、ホテルへ向かうことができました。
ホテルに到着したのは夜20時前。タクシー代は8,000円を超えてしまい、予定外の出費と
なりました。
最も悔しかった瞬間:帰宅途中で折り返しのノロッコ号と並走
タクシーでホテルへ向かっている道中、
なんと釧路駅へ向かうノロッコ号とすれ違いました。
この瞬間が、これまでの疲労と不安が一気に吹き出すほど悔しかったです。

もう少し待てばよかったという後悔と
いっそタクシー代がかかるならもっと早くタクシーを呼べばよかったという後悔です。
タクシー代は8,000円を超えましたが、20時前にホテルに到着することができました。
幸いにも、事前に和商市場で購入していたジョイパックチキンや、
セイコーマートで買ったカップラーメンを食べながら、
1時間ほどウェルカムバーのサービスを楽しむことができました。


和商市場は今からノロッコ号に乗れるウキウキと
美味しい海鮮が食べられてテンションの高い時でした(笑)
しかし、大浴場の利用時間が21時50分までだったため、急いで食事を済ませ、大浴場へと向かうことになりました。
本来なら17時前にはホテルに着いて、ゆったりと過ごすはずだった夜が、
急かされるスケジュールになってしまったことで、ノロッコ号での辛い体験をより強く印象に残ることになりました。
私たちが宿泊したホテルスーパーホテル釧路・黒金の宿泊記はこちら
【私たちが学んだ4つの教訓】次にもしトラブルが起きたら
辛い経験ではありましたが、このトラブルのおかげで、私たちは北海道の鉄道事情と緊急時の対応について教訓を得ました。
もし次ノロッコ号に乗るならこうするということや、同じ事態に陥ったらこうしよう!という学びを共有します。
教訓 1:時間がずれても取り返せる「朝いちばんの便」を予約する
私たちが最も後悔した点の一つが、午後の便を選んだことです。
午後の便は、運行トラブルが発生した場合に「その日のうちにホテルに戻るための時間的な余裕」が全くありません。
ノロッコ号に乗るなら、「朝いちばんの便」を予約することを強くおすすめします。
- メリット 1:復旧の可能性:午前中にトラブルがあっても、午後の列車が代替として動き出す可能性があります。
- メリット 2:明るい時間帯:万が一、無人駅で立ち往生しても、あたりが暗くなる前にタクシーを手配したり、次の行動に移る判断がしやすくなります。
スケジュールに遅れが出ても、その日の夕方までには挽回できるという安全を確保することが、ノロッコ号の旅をより楽しめると思います。

あたりが暗くなってくると恐怖心が倍増します!
教訓 2:目的地は「塘路駅」まで延長する
私たちが立ち往生した釧路湿原駅は、無人かつトイレもないため、トラブル発生時に「孤立無援」の状態に陥りました。
ノロッコ号に乗るなら終点である「塘路駅」まで行くことを強くおすすめします。
塘路駅自体も無人駅かもしれませんが、大きな違いがあります。
- 車掌さんの存在:塘路駅はノロッコ号の折り返し地点(終点)であるため、列車が長時間停車し、車掌さんをはじめとする乗務員が待機しています。運行状況を尋ねたり、指示を仰いだりできる人がいるのは、心強いです。
- 車内トイレの利用:ノロッコ号の車内にはトイレが設置されています。列車が止まっている間も、トイレの心配をせずに待機できるのは、釧路湿原駅(トイレなし)との違いです。
たった数十分の乗車延長で、これだけ大きな安全と安心を買えるなら、塘路駅まで行く価値は間違いなくあります。
教訓 3:長期戦を覚悟!すぐにタクシーを呼ぶ決断力を持つ
今回の経験で痛感したのは、「北海道のローカル線は、都市部の電車のようにすぐには動かない」というのを肝に銘じることです。
私たちは「もうすぐ動くだろう」と期待して待ってしまいましたが、
その判断の遅れがホテルへ戻る時間を大幅に遅らせました。
【次への教訓】
運行トラブルが発生し、30分以上待っても復旧の目途が立たない場合は、すぐにタクシー会社に連絡をする決断をすればよかったと思っています。
タクシーを呼んでもすぐに来てくれる訳では無いので、真っ暗な中で迎えに来てもらうまでひたすら待たないといけない、というのも理解していなければならなかったです。
また、JR北海道では、電話案内が各駅対応からJR北海道電話案内センターへ統一され
営業時間も6:30~22:00から8:00~19:00に大幅に時間変更がされており、
連絡を取れる時間が限られることも知っておきましょう。
教訓 4:湿原内を歩くなら「温根内ビジターセンター」が正解!
私たちは「釧路湿原駅で降りたら、そのまま湿原内の木道を歩ける」と思い込んでいましたが、
これはリサーチ不足による誤解でした。
- 釧路湿原駅(細岡): 駅近くにあるのは細岡展望台です。湿原全体を上から眺めるのがメインであり、湿原の中を歩くことはできません。
- 湿原内を歩く(木道): 湿原内にある「温根内木道」を歩くには、ノロッコ号の停車駅とは別の場所にある「温根内ビジターセンター」に行く必要があります。
釧路駅から温根内ビジターセンターへのアクセス方法
湿原内を歩く体験(木道散策)を旅の目的なら、以下のいずれかの方法で温根内ビジターセンターへ向かいましょう。
1. 🚌 路線バス(費用を抑えたい方へ最も推奨)
- 利用バス: 阿寒バスの鶴居線
- 乗車場所: 釧路駅前バスターミナル
- 所要時間: 約 40~45 分
- 料金目安: 730 円程度
- 注意点: 本数が非常に少ないため、必ず事前に最新の時刻表を確認し、滞在時間を逆算して計画を立ててください。
2. 🚕 タクシー(時間を優先したい方へ)
- 所要時間: 約 30~35 分
- 料金目安: 7,000 円前後
- 特徴: 最も早く到着できる手段ですが、費用は高額です。バスの時間が合わない場合や、複数人での移動で費用を割り勘できる場合に検討しましょう。
3. 🚗 レンタカー(自由度を確保したい方へ)
- 所要時間: 約 30 分
- 特徴: 自分のペースで移動でき、他の展望台への立ち寄りも可能です。釧路駅周辺のレンタカー会社で手配します。
まとめ:ノロッコ号を安全に、最高の思い出にするために
乗ること自体が旅の醍醐味!開放感あふれる特別な時間
私たちのノロッコ号での体験は、予期せぬトラブルと不安に満ちたものでしたが、
ノロッコ号に乗れたことはすごくうれしかったです。
それだけでなく、窓のない車両に座り、のんびりと走るという経験を出来たことは思い出に残ります。
重要なのは、その素晴らしい体験を台無しにしないための「準備」です。
「朝便の予約」「塘路駅までの乗車」といった私たちの経験を活かして、
天候が急変しても焦ることなく、旅を安全に進めてほしいと思います。
ノロッコ号は、事前に準備して備えておけば、最高の思い出になるはずです!
別記事で詳しく解説!チケット購入と座席・設備ガイド
ノロッコ号は、運転期間が限られているため、特に夏場のチケット争奪戦は熾烈です。
指定席を確実に確保できなければ、そもそも乗車することすら難しくなってしまいます。
そこで、次回の記事では、私たちが成功した方法も踏まえて、「ノロッコ号のチケット購入方法」と「車内の設備」について詳しく解説します。
- チケット購入:いつから予約が開始されるのか? 予約の方法は?
- 座席・設備:開放的な座席の様子や車内販売(売店)の有無、トイレの場所などをご紹介
これらの疑問を解消し、安心してノロッコ号の旅を計画できるよう、別の記事で情報をまとめる予定ですので、ぜひ併せてご覧ください。
最終まとめ:教訓を活かし、安全で快適な釧路の旅を
列車トラブルによる夜間の無人駅での孤立は、非常に怖い経験でしたが、そのおかげで私たちは北海道の鉄道事情の現実と事前の計画の大切さを学びました。
皆さんには、私たちのような不安な思いをすることなく、ノロッコ号での雄大な景色を心から楽しんでいただきたいと心から願っています。
この記事の教訓を参考にして、最高の釧路旅行を成功させてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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